数寄和では小山維子 / Thomas Gillant / ホリグチシンゴによる三人展、爽籟を開 催します。爽籟とは、秋の涼やかな風を 穴の3つ空いた笛の音に例えた古語です。

Sourai (爽籟), a three-person exhibition by Yukiko Ôyama, Thomas Gillant and Shingo Horiguchi, at Sukiwa Gallery. “Sourai" is an old word that compares the cool autumn breeze to the sound of a flute with three holes.





小山維子は2015年に多摩美術大学油画専 攻を卒業後、相模原にあるREVという共同アトリエで制作を続けています。本人 の言葉で「薄くてぶ厚い絵を描きたい」 と語っている通り、長い時間をかけて作 品と向き合った結果作り出される薄い色 彩の積層は、空気や熱を含んだ手触りを 鑑賞者に感じさせます。

Thomas Gillant(トマジラン)はフランス の美術大学を卒業後、2013年に来日して から約10年間千葉のアトリエで制作を続 けてきました。有機溶剤で薄めた油彩を スプレーガンで吹き付ける手法で作られ る画面は、作家の身体性と同時に、抽象 表現ながら西洋の風景画のような奥行き と光を感じさせます。

ホリグチシンゴは2018年に多摩美術大学 修士課程の日本画研究領域を修了後、厚 紙で作ったブロックやドローイングを構 成し、写真で撮影したイメージを絵画化 するというスタイルで制作していまし た。2022年からはマスキングを使用した 抽象的な表現に変化しましたが、一貫し て絵を描く方法そのものについて考察す る工学的な態度で制作しています。